2004年01月22日

CT、一回目

胸&腹部、転移なし

nekome1999 at 00:01コメント(0)トラックバック(0)検査&病理結果治療メモ(初発) 

君、切りたもうことなかれ:4

P病院は、代ゼミの通りの突き当たりにある。
当時、ここの通りは、もっと狭く、汚かった気がする。もう20年以上も前なのだと、懐かしく思い出した。

ここの代ゼミで、高校一、二年の頃の私はよく模試を受けていた。
三年になると「大人」なので、代々木の本校や原宿校に通い、帰りに渋谷にちょっと寄り道するのが、ささやかな楽しみでもあった。同級生のUが予備校情報に詳しく、人気の講座や模試を彼女のお母さんが申し込みしてくれたりして、私も皆と同じように私大を受験し進学した。当時、私の未来は明るく、何に向かっても開いていた。すべてが輝いて見えたのだった…。

…訳がない。
若い時には、その最中には、そんなことイチイチ感じないし思わないものだ。年寄りになっているから、「ああ、あの頃は、未来が明るく開かれていたなぁ。輝いていたなぁ。あ~の頃の~私に戻って~♪」なんて回顧主義のおセンチさんになるのだ。実際はショボい未来しか予定されていなくても、輝かしい未来がすべて自分の手の中に約束されて存在していたかのように思うのだ。こういう思考は、他でもないババア化の証拠だ。今、現在の自分だって、60代になって振り返れば、「ああ、あの頃は若かった。輝いていたなあ」なんて必ず思うのだ。人間とは、そういうものだ。60まで生きていれば、だが。

胸部外科に、9:30の予約だった。エコーを取って、診察室に入ったのは12:00で、先生に診てもらえたのは、13:00だった。その後、CTとMRIを取って再度先生に診てもらって、終わったのは、何と18:30過ぎ。マジで患者さんで一杯。でも、人気の先生なら患者さんが多いのだから仕方ないのだからと、三度読み切った雑誌を暗記でもするかと眺めていると、初診患者付き添いのおじさん(旦那)がデカい声で看護士さんに「待たせ過ぎだ。患者が多すぎる」と、文句言っていた。気持ちはわかるが、何も声を張り上げる必要はない。待合室には他にも人がいる。そこの全員が、オヤジの文句を強制的に聞かされる。聞きたくもない下手なカラオケを強制的に聞かされるのと、それは似ている。

そういうのを迷惑行為というのだが、管理職っぽいオヤジは、職場や社会で他人に対して類似的行為が常習なので、おそらくそれが迷惑行為であると認識しておらず、もしかしたら逆に「正義の鉄槌」くらいにしか思ってないのかもしれない。しかも、側にいた私に同意を求める視線を送ってき、「ねえ、そうでしょう?」なんて大声で相槌まで求められた。無視。大人なんだから、他人を頼らないで、自分ひとりで問題解決して欲しいものだ。それができないなら、最初から騒がない事だ。

また、18:00までいた女性は、「まだ待つの?! 私は主婦なんですから、困るんですよ!!」と、これまた声を張り上げていた。待たされて困る困らないに「主婦だから」は何の関係もない。それとも、病院の順番待ちに、主婦優先とかいう特別扱いを希望しているのだろうか? では、主婦はダメだけど、どんな人なら遅くなってもいいと思っているのか? そこで「主婦」という単語を出す意味は、一体何なのだろうか?

世の中には不思議な大人がたくさんいる。いい歳をして、子供だっているだろうに。ロールモデルとなるべき親達がコレでは、日本社会の行く末が案じられる。まあ、どうせ長生きしない私には、もう関係ないので良かった。 

「そんなにカリカリすると、体によくないですよ」、と一言告げたくなったが止めといた。
「そういうあんたは、カリカリしてないって言っても、ガンになってるじゃないの」
「そうでした、テヘ」
…みたいな間抜けなオチだし。意味ないし。

あ、そうそう。MRIは、胸をスポッとはめる台の上にうつ伏せになったら、全身が筒の中に進んで行き、乳だけを撮影。ボカボカと木魚のような音、ギギャーと分類不可能な音がすごい。イヤホンをするという説もあったのだが、P病院はイヤホンなしだった。造影剤を注射する前後を撮影するので、しばらく動かないでくださいと言われるが、造影剤を注射されると眠くなってしまった。機械は煩いのだが、全身がポカポカと暖かく、気分悪くなったら押してくださいと手に握らされたボタンをガタッと落としてしまうほど爆睡。しかも点滴が引っ掛かって逆流し、引っ張られて取れそうになっていたのに気付かなかった。後から結構痛かった。CTは仰向けで同じような筒の中なのだが、「吸って~息止めて~」とかやられるので寝ている場合ではない。

ところで、P病院は乳腺専門の待合室があって綺麗。ソファはピンクで、静かに音楽が流れ、患者さんは殆ど女性ばかりで、サロン的。とても居心地のいい病院だ。B先生は気さくで話し易い。楽しく治療ができそうだ。

で、検査結果はその日のうちに教えてくれる。マンモグラフィーではイマイチ乳腺とガンの境界が判らなかったらしいが、私の胸のしこりはMRIでも殆どガンと判明。非常に大きい。5センチ以上。リンパ節に2箇所触診転移。CTによると腹部と胸部への転移はまだない。ふむ、「ステージIII」ってやつかしら?と判断。最初の頃に比べると、知識が増えたものだと感心する。

B先生によると、市立病院で勧められた「切ってしまってから、抗がん剤」という方法も確かにある」と、市立病院の先生への敬意を示しながら説明をしてくれた。しかし、私の場合は、リンパに伝わってガン細胞が旅してしまっている。もしかしたら血管も旅しているかもしれない。もうCTに映らない小さな転移がどこかにあるかもしれないし、後日、体のどこかで芽生える可能性もある。だったら、今焦って切らなくても、私と相性のいい抗がん剤で乳のガンを小さくしながら、ミクロで散らばっているかもしれないガン細胞も退治し、それから手術した方がいいのではないかとの事。納得できた。しかも、それは、自助グループ会長さんやキャンサーネットの先生からも聞いた治療法だ。

ただし、30%程度の人には殆ど抗がん剤の効果はない。しかも、その場合予後も非常に悪い。その治療のネックはそこで、ガンの塊を体に残したままの治療で、しかも場所が乳なので、薬が効いているかいないか患者さん自身で確認できてしまう。効果があればいいけど、なかった時に辛い。毎日ガンが増殖しているんじゃないかと、不安になる患者さんもいる。だから、精神的に脆弱な場合は勧められない。その場合は先に切ってしまった方が精神衛生上良い。手術を先にしても、後にしても、効果は一緒、とのこと。…今日も一人の患者さんが、耐え切れなくなってドロップアウトしてしまったそう。

え、面白そうじゃん。と、私は思った。実験みたいだし、何より、患者が自分で積極的に治療に関与できるというのが素晴らしい。抗がん剤を試してもらって、ガンがどうなるか自分でも観察して、ダメなら、次の薬に行ってみようか? ダメなら、あら~、ダメでしたね、じゃ、切りましょうか? じゃ、止めましょうか? …みたいな? ガン箇所が体内ではなく、乳だからこそ本人が効果測定できるのだ。せっかく乳がんになったんだから、患者としてそういうアドバンテージは最大限に利用したいし、ガンを自ら攻めて行ってる感じがする。そう、私は受身が嫌いなS女だから、主導権は自分が取りたい。ガンをネチネチ苛めているのだグハハハハハ、と実感できるその治療の方が向いている。と、術前抗がん剤をお願いする。

抗がん剤は毎回決まった曜日にやる必要があるので、仕事との兼ね合いも考えて決めるといいと先生はアドバイスしてくれる。仕事が比較的暇なのは週の半ば。火曜日がいい。火曜日の午後に抗がん剤で、もし次の日具合悪くて水曜日に休んでも、土日働けば仕事は何とかなる。水曜日に抗がん剤で、もし木曜日具合悪くて休んだら、仕事はヤバくなる。という事で、で、来週火曜日から、抗がん剤(ケモ)決定。

帰りに道端の八百屋さんで買った焼き芋が、ホックリ甘くて美味しかった。


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nekome1999 at 00:00コメント(0)トラックバック(0)君、切りたもうことなかれ治療メモ(初発) 

2004年01月21日

君、切りたもうことなかれ:3

午前中、P病院に電話して翌日の予約。
そして、市立病院に手術の延期のお願いと、セカンドオピニオン用の資料を借りに行った。手術を延期して欲しいと告げると、先生は、「え、なんで?」と。

「その日、生理になっちゃうんで、あとセカンドオピニ…」
「生理でも、そんなのちゃんと看護士がやるから大丈夫だよ」(不機嫌)

ここで、先生が、「あ、そうか」と少しでも話を聞いてくれる素振りを見せてくれたら、自分はそのままその病院で手術を受けていたかもしれない。乳切られて、下半身にも管入れられて、おまけに生理だなんて、もう我慢ならない姿だ。どうして男には判らないのだろう?いや、看護士さんにも判らなかったようだ。「大丈夫ですよ」なんて言っている。

ダメだ。先生や看護士さんにとっては、毎週一回、One of themの手術なんだろうけど、わたしにとってはThe only oneで、しかもThe first oneなのだ。しかも、どうせ私は進行ガンで、一週間手術を伸ばしたって、今更命に関わるとかいう次元の問題じゃないんだから、人生で最も気分も体調も悪い生理の日だけはイヤだ。

B先生の所に行くと言うと、先生は一瞬脱力したようだった。「写真返してもらってくださいよ。先入観を与えたくないけど、あそこは患者さんにはいいかもしれないけど、そういうところがガサツなんですよ」

患者さんにいいなら、それでいい。
… ふと思ったのだが、私が自分でお金を払った私の写真の所有権が病院にあるのは、どういう訳だろうか? 病院はカルテなどの保管義務があるのだろう。でも、所有権は私であって、病院にはあるとしたら使用の権利のような物があるだけではないのか?ローン組んでる車の車検証を見て欲しい。所有者はディーラーで、持ち主は「使用者」になっているはずだ。支払いが完済されないと、所有権は解除されない。ドライバーが「自分の車」と呼んでいるだけで、実際は「ディーラーの車」なのだ。病院は私のレントゲン写真にお金を払ってもいない。なのに権利を主張するとは、何たる事か?しかも、それが当たり前のようになってしまっている。日本の医療の問題点をここでも発見した気分になった。まあ、どうでもいいけど。

病院から直接仕事に行く予定だったのが、貸してもらったマンモグラフィー写真が巨大で、しかもデカデカと「乳」なんて書いてあるので、さすがにコレ持って都内を電車で歩き回るのはどうかと思い、一度家に戻って置いてから行った。

さて、明日、P病院に行かねばならない。その後の予定も判らない。いきなり有休モードで大至急アシスタントさん達にトレーニングする。帰りがすっかり遅くなってしまった。

病気は別に仕方ないからサダメか…と思ってればいいんだけど、こうやって回りに迷惑かけたりするのがマジでイヤだなあと思う。 自分のサダメを他人に押し付けてるみたいで、何だかなあ。

日差しに春の気配を感じた。何が起きても季節はちゃんと巡ってくる。


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